いわき弁護士便り

スポーツ関係の紛争解決手段~スポーツ関係トラブルの法律相談なら,いわきの弁護士新妻弘道・磐城総合法律事務所へ~

2015年11月4日

スポーツ関係の紛争と言って皆様が思い浮かべるのは何でしょうか?

私の場合,真っ先に思い浮かぶのは,プロ野球選手やプロサッカー選手の契約交渉や年俸交渉,あるいはドーピングによる賞金の没収処分・出場停止処分に対する異議申し立て,といったニュースになるような大きな案件です。おそらく皆様もそうではないかと思います。

しかし,様々なスポーツがより身近になり,より多くの人が日常生活の一部としてスポーツを楽しむようになっている現在では,スポーツ関係の紛争はごく身近で頻繁に起こりえます。

例えば,友人や知人とスポーツをしている最中の事故,スポーツ教室での指導中の事故,あるいはスポーツ教室との指導契約に関してトラブルが生じるなど,一般市民の方であっても,スポーツ関係トラブルの当事者(被害者又は加害者)になりえます。

 

そのようなスポーツ関係トラブルを解決する手段としては,概ね以下の手段が考えられるでしょう。

 

民事裁判又は民事の交渉による解決

主に民法の条文を使用して裁判又は交渉を行う方法です。最もオーソドックスな方法といえます。スポーツ中に事故が起きて損害を被った場合,過失による不法行為責任の追及(スポーツ教室での事故であれば契約上の債務不履行責任の追及等)をしていくことになります。

なお,スポーツ教室との契約トラブルのような場合,その大半が事業者と個人(消費者)の契約と言えますので,多くの場合,消費者契約法が適用できます。違約金条項などがある場合,消費者契約法を利用して当該条項の無効を主張していくことが可能なケースがあります。

弁護士も忘れがちな視点(私も忘れそうになったことがあります。)ですので,消費者契約法が適用できるかどうかは,必ずチェックしたほうが良いともいます。

 

刑事手続による解決

スポーツ教室での事故のように,業務上の注意義務を怠って死亡等の重大な結果が生じた場合,業務上過失致傷罪又は業務上過失致死罪に該当するとして刑事手続による処理がなされる可能性もあります。

この場合には,被害届の提出等によって刑事処罰を求めていくことになります。

 

日本スポーツ仲裁機構(JSAA)による仲裁制度

 主に,競技団体が下した処分に対して,競技者が不服を申し立てる場合に利用する機関です。一般市民にとってはあまり馴染みがなく,また利用機会も少ないと思います。

利用できる対象は現在拡大されており,競技団体同士の紛争のほか,スポンサー契約上のトラブルといったスポーツ関係契約に絡む紛争,スポーツ事故による損害賠償等についても幅広く利用対象になっています。

訴訟までは躊躇する,あくまで和解を目指したい,しかし事故内容からして当該スポーツの特質又は専門知識を踏まえていないと適切な仲裁案を出しづらい,というような特殊な案件では,利用を検討してみてもよいかもしれませんね。

なお,日本スポーツ仲裁機構の仲裁を行うためには,相手方が仲裁人の判断に従うという仲裁合意がなければなりませんので,相手方が同意してくれなければ仲裁手続は開始できません。

 

スポーツ保険の活用

スポーツに起因する怪我に対して保険金を支払うというスポーツ保険が相当数ありますので,プライベートでのスポーツ大会などの場合,あらかじめスポーツ保険に加入しておくとよいでしょう。

 

これまで,スポーツと法律の関わりという視点,あるいはスポーツと弁護士の関わりという視点はあまり意識されてこなかったと思いますが,スポーツが広く浸透している現在,スポーツに関する紛争やトラブルに巻き込まれる可能性は高まってきていると言えます。

スポーツに関するトラブルが生じた場合(生じそうな場合),ぜひ早めに弁護士にご相談ください。