社会保険関係、労務関係の分野で法改正及び制度改正等が多くございましたので、概略になりますがいくつかご紹介させていただきます。
高齢者雇用確保措置の経過措置の終了、雇用保険の拡充等、外国人技能実習制度の改正など盛り沢山となっておりますので、ぜひご一読いただき、該当しそうなものについては早めに対応していただければ幸いです。
【今回の項目】
1.高齢者雇用確保措置の経過措置の終了
2.雇用保険の拡充
3.外国人技能実習制度の見直し
- 高齢者雇用確保措置の経過措置の終了(2025年4月1日~)
・高年齢者雇用安定法上、65歳までの雇用確保措置として、以下の①~③のいずれかの対応を取ることが企業に義務付けられています。
①定年制の廃止
②65歳までの定年引上げ
③65歳までの継続雇用制度(再雇用制度等)の導入
・このうち、③を選択した企業のうち、平成24年度までに労使協定で継続雇用制度の対象者を限定する基準を定めていた企業には、同制度の対象者を一定の者に限定できるという経過措置が認められておりました。
・しかし、上記経過措置は2025年3月31日をもって終了し、同年4月1日以降、企業は希望者全員に対して65歳までの雇用機会を確保する必要があり、上記経過措置を利用していた企業につきましては、就業規則の変更等の対応が必要となる場合があります。
★詳細はこちらをご参照ください。
- 雇用保険の拡充(一部につき2025年4月1日~)
・多様な働き方を支えるため、1週間の所定労働時間が10時間以上の労働者も雇用保険の対象となります(現行は「20時間以上」)。
・教育訓練やリスキリング支援の充実のため、①自己都合退職者の失業給付(基本手当)の給付制限期間を現行の2か月から1か月に短縮する、②教育訓練給付金の給付率を現行の70%から80%に引き上げる等の改正がなされます。
★詳細はこちらをご参照ください。
★厚労省のリーフレットもご参照ください。
3.外国人技能実習制度の見直し(育成就労制度の創設等)
・現行の技能実習制度の問題点を発展的に解消させるため、「育成就労」という新たな在留資格を創設することとなりました。
・新制度の下では、「育成就労」という新たな在留資格の下、原則3年間で、①特定技能1号水準の技能レベル及び②必要な日本語能力(A2相当以上、JLPTのN4等)を取得してもらうことになります。
・無事に「特定技能1号」にステップアップすれば5年の在留資格が得られ、ハードルは高いですが、更に上の「特定技能2号」にステップアップすれば期間制限なしの在留資格を取得でき、事実上の永住が可能となります。
・その反面、「育成就労」では、従来の技能実習制度では不要であった日本語能力が要求され、初級レベルの日本語試験合格等が必要となります。
・また、大きな変更点として、技能実習制度では原則として転籍(勤務先変更)が認められておりませんでしたが、「育成就労」では、元の勤務先で1~2年の就労実績があり、一定の技能及び日本語能力(試験への合格)が認められれば、本人意向による転籍が可能となります。
★詳細はこちらをご参照ください。
★全国社会保険労務士会連合会においてセミナーを開催するようですので、ご興味があれば参加していただくことも有益と存じます。
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磐城総合法律事務所 代表弁護士:新妻弘道