いわき弁護士便り

外国人労働者を受け入れる際の注意点~中小企業の労働問題ならいわきの弁護士新妻弘道・磐城総合法律事務所へ~

2015年2月5日

 

今回は,企業が外国人労働者を雇う際の注意点を簡単にご説明したいと思います。

※労働問題の基本については,こちらをご覧ください。また,こちらもご参照ください。

 

少子高齢化,生産年齢人口の減少という問題が指摘されてから久しく,今後,中小企業において外国人労働者を雇うケースがますます増えていくと予想されます。

諸外国との経済連携協定(EPA)の締結も着々と進められており(平成27年1月15日には,オーストラリアとの経済連携協定が発効しました),経営者としては,外国人労働者に関する法的知識を今のうちから頭に入れておく必要があります。

 

外国人労働者に関する法的問題は沢山ありますが,ひとまずは,①労働関係法規がどのように適用されるのか?,②在留資格は問題ないか?,という2点を意識しておけばよいと思います。

その際の基本的視点としては,

外国人も「労働者」に当たるので,労働関係法規や雇用保険等は日本人と同じように適用される。ただし,「在留許可」という特別の許可に基づいて日本国に滞在することを許されているにすぎないため,入管法上の諸手続や各種届出をしないといけない。

という視点を持っておけば,理解がしやすいと思います。

 

上記の視点を踏まえ,外国人労働者を雇用する際は,特に以下の点にご注意ください。

 

① 現在の在留資格・在留期間をチェックする。

適法な在留資格を有しているか,在留期間を経過していないかをチェックします。チェックを怠った場合,不法就労助長罪(過失犯も処罰あり)という犯罪に問われる可能性がありますので,必ずチェックしてください。

なお,経済連携協定(EPA)を結んでいる国の外国人であれば,「特定活動」という在留資格が認められる場合があります。

また,留学生を雇い入れる場合,留学生は「留学」という在留資格で日本に滞在しているケースがほとんどですので,法務大臣に対し,在留資格変更の許可申請を行う必要があります。

ただし,在留資格変更の許可申請が必ず認められるわけではないので注意が必要です。

外国人の就労に対する現在の日本政府のスタンスは,「専門的,技術的分野の就労は積極的に推進するが,単純労働者の受入れは慎重に対応する」というものです。

そして,外国人留学生については,現状,「技術」,又は,「人文知識・国際業務」という在留資格を柔軟に判断することで,在留資格変更の当否を柔軟に判断しています(詳しくはこちらを参照)。

その留学生が学んでいた科目・学科と実際に従事する業務との間に関連性があるかなどの点が慎重に検討されますので,従事してもらう業務内容についてもよく検討する必要があります。

 

② 雇用対策法に従い,雇用状況届け出る

雇用対策法という法律に従い,外国人雇用状況を厚生労働大臣に届け出ます。届出を怠ると30万円以下の罰金に処される場合がありますので,怠らないようにしてください。

詳しくは,こちらをご覧ください。

※実際の届け出先は,「事業所の所在地を管轄する公共職業安定所」になります。

 

③ 雇用保険,社会保険,厚生年金などの手続の実施

外国人労働者も,労働関係法規にいう「労働者」に該当しますので,日本人従業員と同様に雇用保険,社会保険関係の手続を行っていただく必要があります。

 

④ 労働条件の明示(書面の交付)

日本人労働者の場合と同様,労働条件を明示した書面を交付する必要があります。

当然ながら,本人が労働条件をきちんと理解できなければいけませんので,日本語版と併せて,その外国人の母国語版(なければ最低限,英語版)も交付する必要があります。

 

外国人労働者を雇い入れる際の注意点はそのほかにも様々ありますので,ぜひ弁護士にご相談ください。