死亡時の損害賠償請求で認められる損害
死亡時の損害賠償で認められる損害としては、大きく、①死亡による慰謝料、②死亡による逸失利益、③葬儀費用等があります。
このうち、①死亡による慰謝料、②死亡による逸失利益については、こちらをご覧ください。
③葬儀費用については、いくつかの基準がありますが、おおむね130~170万円の間で認められます。
葬儀費用そのものだけでなく、墓碑建設費用、仏壇の購入費用も損害として認められます。
なお、香典を受領したとしてもその分が差し引かれることはありません。
死亡による逸失利益の算定方法の例
基本的な算定式は、基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数です。
ここでは、「年収800万円、死亡時40歳の父親(サラリーマンで一家の支柱)が死亡した場合」という例で検討します。
まず、基礎収入は800万円になります。なお、基礎収入は、各種手当や賞与を含めた額で、税金等の控除前の金額になります。
次に、生活費控除率は、一家の支柱の場合、30~40%とされています。ここでは30%(0.3)とします。
最後にライプニッツ係数ですが、これは係数表が定められていますので、就労可能年数に対応した数値を選びます。
就労可能年数は、死亡時から満67歳となるまでの期間となります。
ここでは、67-40=27年となります。
これに対応するライプニッツ係数は、14.643です。
以上を計算すると、
800万円×(1-0.3)×14.643=8200万0800円
となります。
単純計算ですと、800万円×27年間=2億1600万円になりますので、生活費控除と中間利息控除によって相当額が差し引かれていることが分かると思います。
死亡時の損害賠償請求の手続
損害賠償請求の方法はいくつかありますが、いずれにしても、相続人が手続を行うことになります。
死亡診断書と相続人であることが分かる戸籍謄本を添付して各請求を行うことになります。
どの請求方法を取るのが適切かについては、こちらをご覧ください。