いわき市の皆様,お久しぶりです。
今回から何回かに分けて,離婚や不貞行為の基本知識について書きたいと思います。
今回のテーマは,ずばり,離婚に伴う慰謝料額に相場はあるか?です。
法律相談でもよく質問されるので結構困ってしまいますが,結論から言うと「ある」・・・と思います。
離婚の際の慰謝料を決める場合,様々な事情を総合考慮して金額を算定することになりますが,ある程度は必ずチェックされる事情というものが存在します。
例えば,
①婚姻期間の長さ(長いほど高くなる傾向にあります),
②結婚生活の破たんに至った原因(④の有責性が関係してきますが,原因が大きいほど高くなる傾向にあります),
③その原因がどのくらい続いているか・またはどのくらいの頻度で起こっているか,
④有責性(責任が大きいほど高くなる傾向にあります),
⑤未成年者がいるかどうか(いない場合よりいる場合のほうが高くなる傾向にあります),
⑥支払義務を負う人の資力(資力があり社会的地位が高いほど高くなる傾向にあります)
といった辺りはほぼ必ず見られる要素だと思います。
①~④は考えてみれば当たり前のことです。
結婚期間が長く,破たんの原因行為を頻繁に行っており,しかも責任がもっぱら相手方にあるということは,長い期間にわたって頻繁に肉体的・精神的苦痛を与えているということ(つまり,権利侵害行為を長い期間にわたって頻繁に行っているということ)ですから,当然,慰謝料金額は大きくなります。
一般市民の方がピンと来ないのは,⑤未成年者の有無,⑥支払義務者の資力も影響するという点でしょうかね。この辺は論理必然というより,政策的な判断が入ってきているのかなという印象です。
以上のような諸要素を考慮して慰謝料額を決めるのですが,個人的に相場の指標として最も分かりやすいと思うのは,①婚姻期間の長さだと思います。
慰謝料の相場はおおむね100万~300万円くらいの範囲内に落ち着くことが多いですが,下は50万程度,上は500万円くらいになるケースもまれにあります。
婚姻期間が20年以上くらいになってくると,基本的に200万円以上が認められてるくるかなという印象です。
反対に,婚姻期間が5年以下くらいだと,基本的に100~150万円くらい,離婚原因や有責性によって50万円くらいしか認められない場合もあるかなという感覚です(※あくまで個人的な感覚です)。
離婚の慰謝料額がどのくらいになりそうかあたりをつけたいときは,①~⑥の要素は必ずチェックしておかれると良いと思います。
あとは,類似の裁判例等をチェックするとなお良いと思います。
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磐城総合法律事務所 代表弁護士:新妻弘道