本日,福島県弁護士会HPに,
東京電力福島第一原発事故による営業損害の賠償打ち切り案の撤回を求める会長声明
が掲載されました。
※原発賠償に関する基本知識は,こちらをご覧ください。
すでに新聞などで報道されご承知の方も多いと思いますが,東京電力は昨年12月,原発事故による営業損害の今後の支払についての「素案」を示しました。
「素案」には,「いついつをもって賠償を打ち切る」とは明示されていませんが,①避難指示区域内の事業者と②避難指示区域外の事業者を分け,それぞれ一定期間分の賠償を(基本的に)一括して払うとされており,実質的には賠償打ち切りの方針を前提にしていると思われます(詳細は,上記の会長声明をお読みください。)。
原発事故及び風評被害が収束しておらず,原発事故前と同等の営業を行うことが可能になったとはいえない状況で,賠償打ち切りを前提とする素案を出すことには問題があり,その撤回を求める会長声明になります。
今後,福島県内及びいわき市内においても,営業損害又は風評被害の賠償打ち切りの相談が増えると思われます。
賠償の終期に至ったかどうかが判断のポイントとなり,具体的には,①「原発事故前と同等の営業活動を行うことが可能になったかどうか」,②「風評が止んだ(=消費者が購入又はサービスの利用等を避けようする心理状態が,一般人を基準にした場合にもはや合理性を有しない)といえるかどうか」が検討されることになります。
打ち切り前後の収支状況,営業実績のほか,業界内の統計資料(白書,組合の統計等)をも検討することになると思われますので,早めに資料を確保しておく必要があります。
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磐城総合法律事務所 代表弁護士:新妻弘道