お知らせ

経済産業省から，新型コロナウイルス支援策パンフレット（２０２０年８月７日更新版）が出されましたのでご紹介させていただきます。

●新型コロナウイルス支援策パンフレット(2020.8.7版)

 

新たに資本性劣後ローンの供給を開始したとのことです（４６頁参照）。

 

●資本性劣後ローンとは

通常のローン（借入れ）の場合，貸借対照表（Ｂ／Ｓ）上，借入金は当然ながら負債に計上され，その分，自己資本比率やら借入金回転期間やらといった各種財務指標が悪化します。

財務指標が悪化すれば，当然ながら，追加融資のハードルが上がる等のデメリットが発生します。

今回，供給が開始された資本性劣後ローンとは，上記のようなデメリットが生じないように設計されているものでして，ざっくり言うと，

 

１．「劣後」ローンのため，一般債権者よりも返済の優先順位が劣後する（基本的に，一般債権者への返済が完了した後でなければ債権者は返済を受けられない），

 

２．返済が「劣後」するため，例えば倒産等した場合は返済を受けられない可能性が高い＝債権という分類よりむしろ株式（＝資本）に近いイメージとなる，

 

３．名目上は債務であっても実質的には株式（＝資本）に近いイメージとなるため，貸借対照表（Ｂ／Ｓ）上，例外的に資本と見なされる。

 

４．そのため，Ｂ／Ｓ上の負債額は増加せず，かえって資本額が増加するため，自己資本比率やら借入金回転期間等の各種財務指標は悪化しない（※自己資本比率に限ってはむしろ良くなる）。

 

というものになります。

 

 

財務指標の悪化を防ぎながら融資を受けられるため，事業再建・事業再生により資する融資として活用が可能です。

要件に当てはまる事業者の方は，積極的に資本性劣後ローンの利用をご検討ください。