いわき弁護士便り

成年年齢の改正

2018年12月2日

今回は、成年年齢の改正(18歳への引下げ)についてご説明いたします。

すでにご存じの方も多いと思いますが、今年6月に民法が改正され、成年年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる改正法が成立しました。

詳細は法務省HPでご確認いただければと思いますが、成年年齢の引き下げにより、①本人のみで有効に契約を取り交わせる年齢は18歳に引き下げられ(民法4条関係)、逆に、②女性が婚姻できる年齢が16歳から18歳に引き上げられる(民法731条関係)ことになりました(法務省作成のPDF参照)。

ただし、改正により与える影響が広範囲に及ぶこと、若者をターゲットとした消費者被害の増大等の弊害が懸念されることから、十分な準備期間を設けるため、上記改正法が施行されるのは、平成34年(2022年)4月1日からとされました。

成年年齢を18歳に引き下げるという民法改正を行ったことに連動して、今後、その他の関係法令も順次改正されることになりますが、現時点で判明している変更点は以下のとおりです(こちらは法務省作成のQ&A参照)。

 

1.18歳から親の同意なく一人で有効に契約を結ぶことが可能となる【変更あり】。

子が親の親権に服するのは18歳までとなり、18歳になってからは一人で自由に契約を結べるようになります。しかし、前述のとおり若者をターゲットとした消費者被害の増大が懸念されることから、親御さんの意見を聞くなど慎重に判断することが大切です。

法対応としては、消費者契約法を改正して契約の取消しや無効を主張できる範囲を広げる等の対応をするほか、若者に対する法教育をさらに拡大していくことが予定されています。

 

2.養育費の支払期限は当然に18歳になるわけではない【変更なし】。

今後、解釈の争いが出てくると思いますが、養育費の支払期限については、成年年齢が18歳に引き下げられたからといって、当然に支払期限も18歳までになる、というわけではないと思われます。

養育費の支払期限について当事者間で合意ができない場合、裁判所の判断によって周期が決められることになり、現状の実務では、特段の事情がない限り20歳まで認められる場合が多いのですが、この実務が改正後も変わる可能性は少ないと思われます。

養育費は、未成熟の子の養育・生活の費用として支払われるものであり、18歳で成年になったとしても,依然として未成熟(≒経済的自由が期待できない状態)と認められる限りは、養育費の支払義務は免れないのではないかと思われます。

 

3.お酒・タバコは引き続き20歳から【変更なし】。

健康への悪影響防止が目的ですので、単に成人に分類される年齢が引き下げられただけで健康への悪影響の発生リスクは何ら変わりませんので、当然ですね。

 

4.女性が結婚できるのは18歳から【変更あり】。

現在の民法では、女性の婚姻適齢(結婚できる年齢)は16歳とされていますが、男女間で差を設ける合理的理由はないということで、男性と同じく18歳から結婚できるように年齢が引き上げられました。

 

5.養子を取れるようになるのは引き続き20歳から【変更なし】。

 

6.競馬、競艇、競輪の券が買えるのも20歳から【変更なし】。