いわき弁護士便り

いわきの弁護士「新妻弘道」が、地元いわき市の方に、法律の豆知識や役立つ情報をご紹介します。

暴力団排除条例の改正~いわきの民事介入暴力~

2019年2月17日

 昨日、とあるご縁がありまして、北茨城市の五浦観光ホテル(大観荘)にて開催されました関東弁護士会連合会(関弁連)の民事介入暴力(民暴)関連員会正副委員長会議に参加させていただきました。

※民事介入暴力対策・反社会的勢力対策の基本はこちらをご覧ください。

 その中で、東京オリンピックに向けて東京都の暴力団排除条例の改正の動きがあること、パブリックコメントの公募がなされていることが報告されておりましたので、簡単ですがご紹介させていただきます。

 警視庁HPにも掲載されていますが、東京オリンピックに向けて、都内の主要繁華街において、用心棒料又はみかじめ料といった利益の供与を禁止するという条例改正がなされることとなりました。

 特徴的なのは、用心棒料やみかじめ料といった利益の供与を受けた暴力団関係者だけでなく、利益の供与を行った事業者側も罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)を受けるという改正内容になっている点です。

 報告された先生も仰っておりましたが、今後、この改正の動きは各都道府県の暴力団排除条例にも波及していくだろうとのことでした。今後近いうちに、福島県暴力団排除条例も同様の改正がなされるだろうと思われます。

 今後、暴力団に対してみかじめ料等を支払った場合、信用を失い企業価値を著しく毀損することはもちろんのこと、支払った企業側も刑事罰を受ける可能性が高いと思われます。いわき市内の企業の皆様、暴力団へのみかじめ料支払は絶対に行わないでください。

 みかじめ料拒否など民事介入暴力(民暴)に関するご相談がありましたら、直ちに、磐城総合法律事務所のほか福島県内の弁護士にご相談ください。危険性の高い事案であれば、福島県弁護士会の民事介入暴力対策委員会でも対応可能ですので、相談を躊躇することなく直ちに弁護士にご相談ください。

いわき市の企業の皆様,内部通報の外部窓口を設置していますか?~外部窓口として弁護士を設置することのすすめ~

2019年2月6日

 最近,顧問先企業様から,内部通報の外部窓口として当事務所を設定できないかというご相談をお受けしまして,久しぶりに内部通報制度(公益通報制度)について勉強しました。

 「そんな制度もあったなぁ」と大昔に勉強した内部通報制度ですが,設置のメリット等を簡単に紹介したいと思います。

 

1.内部通報制度(公益通報制度)とは?

 内部通報制度とは,勤務先・所属先において何らかの問題が生じている場合に,役員や従業員等が,勤務先・所属先に設置された窓口(①社内窓口②外部窓口)に対して通報できる制度のことを言います。企業が独自に設けた窓口に対して通報するものになります。

 これに対して公益通報制度とは,公益通報者保護法という法律に定められた特定の通報に関する体制のことを指します。公益通報に該当する特定の通報は公益通報者保護法で規定されており,ざっくり言うと,労働者等が,特定の法律違反事実(通報対象事実)について通報することを指します。

 2つの言葉が混同されているケースもありますが,公益通報制度は,通報主体と通報対象事実が限定されている点が大きく異なります。大まかに言うと,「内部通報の一部に公益通報が含まれている」というイメージになります。

 なお,公益通報制度や内部通報制度の詳細は,消費者庁の公益通報ハンドブック平成28年12月9日改正ガイドライン説明会用資料等をご確認ください。

 

2.内部通報の体制を整えることは事業者にとっても非常に有益!

 内部通報に関して企業が適切な体制整備をすることは,中小企業の評価・価値を高める上で重要な意味を持ちます。

【内部通報の体制整備による数々のメリット】

①企業のコンプライアンス(法令遵守)意識を高め,コンプライアンス経営の強化につながることはもちろんのことですが,

②コンプライアンス経営が徹底されていることを外部にアピールすることで,取引先,顧客,就職希望者から高い評価を受けることができます。

③また,企業側としても,社内の違法行為・不適切行為が早期に発見され是正することができる,

④社内不正が突然外部(マスコミや監督官庁等)に通報されてしまうことによる風評被害・信用失墜等のリスクを軽減できる,

社内不正を自ら公表・是正することにより信頼失墜を最小限に抑えることができる(又は信頼回復につながる)

⑥通報窓口が充実していることにより従業員等による違法行為への抑止力となる,

といった多くのメリットがあります。

 内部通報制度は,会社にとってデメリットの大きいものではなく,むしろ,社内不正が外部に公表される前に内部の自浄作用を発揮できる・従業員等による違法行為への抑止力になるといった多くのメリットがある制度であると理解すべきです。

 このようなメリットがあることから,いわき市の企業の皆様もぜひ内部通報窓口を設置していただければ幸いです。特に後述のとおり,通報窓口としての実効性を確保するため,社内窓口以外の外部窓口を設置することをぜひご検討ください。

 

3.内部通報窓口を設置・運用するに当たっての注意点

 役員や従業員等の企業関係者が会社の不祥事・不正その他の問題を発見したときに,躊躇なく通報できる窓口を設置し,かつ実効性を維持しながら運用していくことが内部通報制度の肝となります。

 内部通報制度を十分機能させるための主なポイントとして,以下の点が挙げられます。いずれも,「箱は作ったが機能しない」という事態にならないための注意点となります。

⑴ 通報に関する秘密保護を徹底すること

 通報者が容易に特定されたり,通報に関連した秘密が簡単に暴露されたりするようであれば,通報を躊躇してしまうことは当然です。情報共有を最小限に止める,通報者の特定につながりうる情報は開示しないといった対策の他,通報者を探索してはならないことを明確にし,かつ関係者に周知徹底させることも必要となります。

⑵ 匿名による通報(例外的に)受理できる体制にすること

 通報できる主体を一定の範囲に限定するという制度設計もあるため,通報は原則として,氏名や所属を明らかにして行ってもらうことが望ましいです。しかし他方,匿名の通報が多いという実態もあることから,企業不祥事など重大事案に関わるものについては例外的に匿名通報を受け付けるという体制にすることも必要です。

⑶ 会社や経営幹部から独立した通報ルートを確立すること

 通報ルートとしては,①社内窓口と②社外窓口(外部窓口)の2種類を設置することが望ましいです。

 そのうち,①社内窓口については,一般的には総務部や法務部,人事部等に設置されることが多いと思われますが,通報者としては,真摯に対応してくれるのか・上司に知られてしまうのではないかといった不安を抱くおそれもあります。

 そこで,①社内窓口を設置する場合でも,社外取締役や監査役への直接の通報ルートを別に設ける等,経営幹部から独立性を有する窓口を設置することをご検討ください。

 また,躊躇なく通報が可能となるよう,②社外窓口(外部窓口)として,法律事務所(弁護士)又は専門の民間会社設置することが望ましいとされております。コスト面で会社単独での設置が難しい場合には,同業の複数の事業者共通の外部窓口を設置することも選択肢の1つとなりますので,ぜひご検討ください。

 なお,外部窓口として顧問弁護士を設定している企業が多数ありますが,4で述べるとおり,禁止はされていないもののあまり望ましくないとされております。

⑷ 従業員らへの制度の周知徹底を図ること

 せっかく立派な制度(箱)を組み立てても,制度の周知徹底が不十分で制度理解が進まなければ意味がありません。通報制度の意義や枠組のほか,具体的な通報窓口や通報の方法等を,従業員らに継続的に周知させる必要があります。

 

4.外部窓口を顧問弁護士が兼務することは望ましくない!

 顧問弁護士が外部窓口を兼務すること自体は,現状,禁止されておりません。顧問弁護士のほうが,社内事情,実態,企業風土に通じており,事案の要点や事実関係も把握しやすいといったメリットもあるためです。

 しかし,顧問弁護士が外部窓口として,例えば重大な社内不正の通報を受けた場合には,会社の利益を擁護すべき顧問弁護士という本来の立場との関係上,相当厳しい利益相反の問題が生じる危険があります。

 「通報者のため中立公平に外部窓口として任務を果たすべき立場」と「顧問弁護士として会社の利益を擁護しなければならない立場」とが,特に会社と通報者との間で見解の相違が生じている場合等では,真正面から衝突することになり,弁護士として適切な職務執行を行うことができない事態になりかねません。

 このような事態に陥る危険があることを踏まえると,顧問弁護士が外部窓口を兼務することはあまり望ましいことではなく,顧問弁護士以外の弁護士(法律事務所)又は民間の専門会社を外部窓口として設定することがベストでしょう。

 やむを得ず顧問弁護士が外部窓口を兼務する場合には,妥協策(私見)としては,①利益相反との関係で,通報を受けた事案については会社側から相談は受けられないし受任もできないこととする,②通報者に対する守秘義務との関係で,通報者の秘密に属する事実については会社側に開示できないこととする,といった配慮をする必要があるのではないかと思います。

 また,仮に利益相反や守秘義務の問題をクリアしたとしても,通報者の立場からして,顧問弁護士が外部窓口となっている場合,しっかり対応してくれるのかという不安から通報を躊躇してしまう危険があります。そのため,少なくとも,「外部窓口として設置されている法律事務所は顧問弁護士である」ことを明示し,従業員らに周知しておく必要があるでしょう。

 

5.ぜひ法律事務所を外部窓口としてご活用ください!

 このブログで言いたかったことがようやく言えました。長い前振りでした。敢えて「当事務所を」と書かないところがいやらしいですが,ご勘弁ください(笑)

 これは冗談としても,今後,ますます企業の淘汰は進んでいくと思われます。個人の権利意識の高まりも相まって,コンプライアンス意識の乏しい企業はどんどん選択肢から外され淘汰されていくことになるでしょうし,逆に,先進的にコンプライアンス経営の強化に努める企業がますます評価され選ばれることになっていくと思われます。

 中小企業が外部窓口設置を躊躇する大きな要因の1つは,間違いなくコスト面と思われますが,上記のとおり,同業の複数の事業者で共通の外部窓口を設定するといったコスト削減策を選択することにより,財務的に無理のない範囲でコンプライアンス経営の強化を図っていくことも可能です。

 いわき市の中小企業の皆様に対する当事務所の使命(ミッション)は,①いわき市の中小企業が望む司法サービスを提供しいわき市の企業の力となること(地元いわきの需要に応えていくこと)②財務を圧迫しない法務コストを設定し,継続的に地元いわきの中小企業のサポートさせていただくことであると考えております。

本ブログを読んで興味を持たれた方は,ぜひお気軽に当事務所までお問合せ下さい。

 

※参考として,当事務所の顧問契約プランもご確認いただければ幸いです。月額1万円からのプランもご用意しておりますので是非ご確認ください。詳細はこちらをご覧ください!

いわき志塾で講師を務めさせていただきました~いわきの弁護士新妻弘道のブログ~

2018年12月27日

先日,とあるご縁がありまして,いわき市教育委員会が主催している教育事業:「いわき生徒会長サミット」に,講師役として参加させていただきました。

いわき生徒会長サミットの中の「いわき志塾」という事業に講師役として参加させていただきました。

生徒会長サミットご担当の先生が,私の中学時代の恩師兼野球部でお世話になった監督さんでして,ありがたく引き受けさせていただきました(先生,貴重な機会ありがとうございました。あと,若干遅刻して申し訳ございませんでした(笑))。

講師集合写真。一番右上が私になります。お医者さんからK-1ファイターまで多種多様なプロフェッショナルが集いました。

私が担当させていただいた回は,「プロフェッショナルの仕事に就いている人から,これまでの生き方,人生,人生哲学,モットー,理念,今後の夢等を聞いて,今後の自分の人生に役立てよう!」という感じのテーマでした。 

いわき市内の中学生で7~8名の小さなグループを作り,グループごとに講師がついて,仕事の内容や面白さ,人生哲学,モットー,これまでの人生等を広く話したり議論したりする企画となっており,私も僭越ながらお話しさせていただきました。

改まって自分の人生や哲学を振り返る機会はなかなか無いので,私にとっても良い経験になりました。中学生の子たちが理解できるよう分かりやすく話さなければならないので,使う言葉にも気をつけました。正直,裁判所で尋問するほうが簡単だと感じました(笑)

パワポを使いながら頑張って話していますが,内心緊張しまくりでした。中学生のみんなが真剣に聞いてくれていて,意識の高さに驚きました。

自分が同じくらいの年代だったころと比べて,皆さん非常に意識が高くて感心しました。「弁護士になりたい」という子も1名いてくれましたので,いつか一緒に仕事をしたいですね。相手方代理人でバチバチやり合うのだけは勘弁したいですが(笑)

最後の講評のときも少しお話しさせてもらいましたが,出席した中学生の皆さんは,非常に意識も高く,学業的にもおそらく非常に優秀なメンバーが揃っていると思います。冗談抜きで,自分が同じくらいの年齢のころは,こんなに意識高くありませんでした。

ぜひ,その豊かな才能・実力と高い意識を,自分の利益のためだけでなく,他人の利益のために役立てられる仕事に就いていただきたいと願っています。せっかくの才能や実力を自分の利益のためだけに使うのはもったいないですし,自分自身にとって損なことだと思いますので,ぜひ,他人を幸せにして世界を豊かにできる仕事に就いてほしいなぁと思っています。

後は,高いモチベーションでバリバリ60年くらい働いていただいて,私が高齢者になったときに万全の状態で日本を支えてほしいですね(笑)

学生の発表後の講評の様子。根拠はありませんが,けっこう良いことが言えた気がしています。ポジティブ思考が人生を豊かにします。

 

成年年齢の改正

2018年12月2日

今回は、成年年齢の改正(18歳への引下げ)についてご説明いたします。

すでにご存じの方も多いと思いますが、今年6月に民法が改正され、成年年齢を現在の20歳から18歳に引き下げる改正法が成立しました。

詳細は法務省HPでご確認いただければと思いますが、成年年齢の引き下げにより、①本人のみで有効に契約を取り交わせる年齢は18歳に引き下げられ(民法4条関係)、逆に、②女性が婚姻できる年齢が16歳から18歳に引き上げられる(民法731条関係)ことになりました(法務省作成のPDF参照)。

ただし、改正により与える影響が広範囲に及ぶこと、若者をターゲットとした消費者被害の増大等の弊害が懸念されることから、十分な準備期間を設けるため、上記改正法が施行されるのは、平成34年(2022年)4月1日からとされました。

成年年齢を18歳に引き下げるという民法改正を行ったことに連動して、今後、その他の関係法令も順次改正されることになりますが、現時点で判明している変更点は以下のとおりです(こちらは法務省作成のQ&A参照)。

 

1.18歳から親の同意なく一人で有効に契約を結ぶことが可能となる【変更あり】。

子が親の親権に服するのは18歳までとなり、18歳になってからは一人で自由に契約を結べるようになります。しかし、前述のとおり若者をターゲットとした消費者被害の増大が懸念されることから、親御さんの意見を聞くなど慎重に判断することが大切です。

法対応としては、消費者契約法を改正して契約の取消しや無効を主張できる範囲を広げる等の対応をするほか、若者に対する法教育をさらに拡大していくことが予定されています。

 

2.養育費の支払期限は当然に18歳になるわけではない【変更なし】。

今後、解釈の争いが出てくると思いますが、養育費の支払期限については、成年年齢が18歳に引き下げられたからといって、当然に支払期限も18歳までになる、というわけではないと思われます。

養育費の支払期限について当事者間で合意ができない場合、裁判所の判断によって周期が決められることになり、現状の実務では、特段の事情がない限り20歳まで認められる場合が多いのですが、この実務が改正後も変わる可能性は少ないと思われます。

養育費は、未成熟の子の養育・生活の費用として支払われるものであり、18歳で成年になったとしても,依然として未成熟(≒経済的自由が期待できない状態)と認められる限りは、養育費の支払義務は免れないのではないかと思われます。

 

3.お酒・タバコは引き続き20歳から【変更なし】。

健康への悪影響防止が目的ですので、単に成人に分類される年齢が引き下げられただけで健康への悪影響の発生リスクは何ら変わりませんので、当然ですね。

 

4.女性が結婚できるのは18歳から【変更あり】。

現在の民法では、女性の婚姻適齢(結婚できる年齢)は16歳とされていますが、男女間で差を設ける合理的理由はないということで、男性と同じく18歳から結婚できるように年齢が引き上げられました。

 

5.養子を取れるようになるのは引き続き20歳から【変更なし】。

 

6.競馬、競艇、競輪の券が買えるのも20歳から【変更なし】。

相続法改正の概要

2018年11月29日

だいぶ久しぶりのブログ更新となりました。いわき市の皆様に、今回は相続法の改正についてご説明させていただきます。

2020年4月から施行される民法改正(債権法改正)に色々と注目が集まっていますが,実は相続法も最近改正されまして,2019年7月から新たな相続法のルールが順次施行されます。

なお,相続法という法律はなく,民法の中の相続に関する条文の改正になります。

今回の相続法改正の詳細は,法務省のHPをご確認いただければと思います。また,相続法改正の概要は,法務省作成のPDFをご確認ください。

こちらの相続法改正もなかなか大きな改正になっており,主要な改正点を挙げると以下のとおりになります。

 

1.「配偶者の居住権」の新設(新民法1028条~1041条)

相続開始時に配偶者が被相続人名義の建物(遺産に属する建物)に居住していた場合,一定の期間で配偶者の居住権を認める制度が新たに設けられました。

遺産分割等が終了するまでの間の居住を認める「配偶者短期居住権」(新民法1028条~1036条)と,②遺産分割等の終了後に終身又は一定期間の居住を認める「配偶者居住権」(新民法1037条~1041条)の2種類が新設されました。

 

2.「遺産分割前の払戻」制度の新設(新民法909条の2等)

預貯金口座につき,遺産分割未了の場合であっても,生活費,葬儀費用,相続債務の弁済等の事情に対応できるよう,一定の要件の下で払戻しができるようになりました。

金額の上限はあるものの,家庭裁判所の判断や他の相続人の同意がなくとも,相続人1名の単独での払戻しも可能となりました。

 

3.遺留分制度の大幅な見直し(新民法1042条~1049条)

遺留分減殺請求権を,遺留分侵害額に相当する金銭の支払請求権に構成し直す等(※),法的性質から抜本的に見直しが行われました。一般市民の感覚に近い金銭請求権に見直されたと言ってよいと思います。

(※)以前は物権的効力説という考え方が採用されており,例えば,「遺贈された不動産が10件あり,遺留分4分の1の相続人が遺留分減殺請求権を行使した場合,10件の不動産全てにつき4分の1ずつ共有持分権を取得する。」という解釈でした。そのため訴訟をすると,「10件の不動産につきそれぞれ4分の1の共有持分の移転登記をせよ。」という請求内容で組み立てないといけませんでした。

 

4.「特別の寄与」制度の新設(新民法1050条等)

相続人以外の親族(相続権のない親族)無償で被相続人の療養看護や介護を行った場合,その親族の貢献を保護するため,「特別の寄与」制度が新たに設けられました。

一定の要件の下で,療養看護等を行った親族が,法定相続人に対し,寄与に応じた額の金銭を請求することが可能となりました。

 

これまた,私が司法試験を受験した当時の法制度とはだいぶ内容が変更されております。いわき市の皆様に良質なリーガル・サービスを提供できるよう,改正相続法についても入念に勉強したいと思います。

相続放棄・限定承認について~いわき市の法律相談なら磐城総合法律事務所・弁護士新妻弘道へ~

2018年7月24日

 久しぶりのブログ更新となりました。決してサボっていたわけではなく,業務が立て込んでしまったためなかなか更新できませんでした。おかげさまで,顧問先様やお知り合いの方,以前のクライアント様からご紹介いただく案件もだいぶ増えてきました。

 さて,今回は,意外に勘違いが多い相続放棄,それと,あまりなじみがないと思いますが相続の限定承認という2つの制度について書きたいと思います。

 例えば,父親が亡くなったが,父親には多額の借金があり,そのまま相続してしまうと多額の負債を抱えてしまうという場合に,これら2つの制度を使うことを検討することになります。

 この場合,まずは父親の遺産として何があるのかを細かく正確に調査することが必要です。「どんな遺産がどのくらいあるのか?」「相続人は誰か?」という2点は,相続問題を処理する上で明らかにすべき必須事項ですので,しっかり調査してください。これが分からないと弁護士も具体的なアドバイスのしようがありません。

 遺産調査をした結果,判明した父親のプラスの遺産(積極遺産)の中に,自分が相続したいものがあるか否かによって,皆さんが取るべき対応は変わってきます。

 

① 相続したい積極遺産がない場合

 この場合は,父親のマイナスの遺産(消極遺産)を相続しないようにするため,相続放棄という手続を取ります。父親の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して相続放棄の申出をしてください。家庭裁判所に申出をしないと相続放棄はできませんのでご注意ください!

 この相続放棄ができる期間には民法上の制限があり,原則,自分のために相続開始があったことを知った時(①被相続人の死亡を知り,かつ,②それによって自分が相続人となったことを知った時)から3か月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。なお,家庭裁判所に申し立てて期間を延長してもらうことも可能です。

 期間内に相続放棄しない場合,ごく例外的な場合(相当な理由により遺産が全くないと信じた場合等)を除き,相続を承認したとみなされ,消極財産も含めて全ての遺産を相続してしまいますので,必ず期間を厳守するよう注意してください。

 

② 相続したい積極遺産がある場合

 例えば,父の所有していた実家の土地建物だけは何としても相続したいという場合が典型例として考えられます。この場合には,限定承認という手続を取る必要があります。限定承認とは,簡単に言うと,「消極遺産も含めて全ての遺産を相続する。ただし,相続した債務の返済の点に関しては,相続した積極遺産の範囲内でのみ行えば足りる。」とする制度です。相続した積極遺産の額を限度として相続債務を返済すれば足り,残債務について自分の固有財産から返済する必要はありません。

 この限定承認手続の中で,①競売によって相続したい遺産を競り落とすという方法,または,②家庭裁判所が選任した鑑定人に遺産を鑑定してもらい,その鑑定額で買い取る方法のいずれかの方法を取ることによって,相続したい積極財産を取得することができます。

 ただし,限定承認手続は,官報に公告を出したり相続債権者を調査したりしなければならず,手続が非常に複雑です。また,時間も費用も相当かかります。さらに,そもそも民法の条文自体が非常に少なく,「該当する条文がなく,どう手続を進めていけばいいか分からない」という局面が多く生じます。そのため,限定承認手続を利用する場合には,必ず弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士業界の現状と今後(2017年2月)~いわきの弁護士新妻弘道のブログ~

2017年2月19日

2016年3月に、弁護士業界の現状と今後(2016年3月)というテーマで自分なりの意見を書きましたが、それから約1年が経ちました。

改めて、現時点での弁護士業界の現状について、自分なりの感想を書きたいと思います。やはり取り留めのない長文になってしまいましたが、地方の現役弁護士のリアルな実感だと思ってお読みいただければ。

【弁護士業界の現状。2017年2月】

斜陽産業化、少なくとも経済的側面という一側面から見た場合の弁護士業界の魅力低下は、もう疑いの余地のない事実(評価)だと思います。

前回のブログ以降、弁護士の所得について正確な統計が出ているわけではありませんが、弁護士一名あたりの収入という面から見た場合に一貫して減少傾向にあることはほぼ間違いないと思います。市場規模が変化なし(というか縮小気味)なのに弁護士の頭数が増加しているわけですから当然でしょう。

悲惨なのはその影響で、司法試験を目指す学生等が大幅に減少していると思われる事態になっています。

法科大学院の志願者は、私が法科大学院に入学した2006年の約4万人から、2016年は約8200人まで減少しました。この数値を知ったときは正直言ってだいぶ引きました。「志願者数5分の1!?司法試験を目指す人がそこまで減っちゃっているのか・・・優秀な人財が司法試験を人生の選択肢として選ばなくなってきているのか・・・」と。

もちろん、司法試験を受けたらトップレベルで合格できそうな超優秀層は、少なからず予備試験を合格し、法科大学院に入学することなく司法試験を受けることができますが、その分を割り引いて考えても、「司法試験離れ(法学部離れ?)」は顕著であるように感じます。

司法修習修了者の進路別推移を見ても、合格者の減少率以上に、弁護士を進路として選択する人の比率は下がっているようです。自治体の任期付き職員や企業の法務部に入社する等、「その他」の進路がこれまで以上に多く見出されていることも当然影響しているのでしょうが、弁護士という職業への魅力が以前より減っていることも一因なのではないかと思います。

これまで各種メディアは、「もっと潜在的需要があるはずだ」、「もっと弁護士の魅力を発信せよ」という、正直言って抽象的極まりない、聞き飽きた感じのある論調の記事を発信してきましたが、そんな潜在的需要は、少なくとも現時点では存在しないのだと思います。

正確に言えば、「弁護士の経済的魅力を維持できるだけの、経済的リターンが期待できる潜在的需要はない」ということだと思います。経済的リターンを考慮しない(無償又は低額リターンの)潜在的需要であれば、そんなものは勿論あるでしょう。「タダで車がほしい」、「タダでラーメン食べたい」という需要であればいくらでもありますが、それを「需要」だという人はいないはずです。

もちろん、弁護士が手を差し伸べるべき、経済的リターンがおよそ期待できない潜在的需要(救済すべき経済的弱者や法的問題)は存在しますし、弁護士の使命としてそういった問題に取り組むべきことは勿論です。金儲けばかり考えて弁護士としての使命、美学又は矜持を持たない弁護士は、同業者から最も忌み嫌われ軽蔑される存在と言ってよいでしょう。

ただ、そのような公益的活動を十分に行う上で最も大事なことの1つが、皮肉にも「経済的基盤の盤石性」であることもまた事実であると言わざるを得ません。顧問料でも報酬でも何でも構いませんが、無償活動に時間を割いても事務所経営が揺らがないだけの経済収入がなければ、公益的活動に十分に力を割くことはできないのが現実です。

弁護士や医師等の専門職種は、基本的に「自分の時間を売る商売」であり、自身が持つ専門的知識や専門的スキルを用いて、自分が実際に働いた時間に対して経済的対価を受け取る職業です。家賃収入のような不労所得(権利収入)は基本的になく、せいぜい顧問料がそれに近い収入形態として存在するにすぎません(その顧問料ですら、全くの不労所得かと言えば全然そんなことはありません。)。

そのような収入モデルとなっている職業にもかかわらず、事件の減少や弁護士費用の低額化の流れ等の影響で、弁護士の経済的基盤は大きく揺らいでいます。

経済的基盤の確立のために個々の弁護士ができることは、前回ブログで書いたとおり、①ニッチトップを目指して自分のブランドを確立する(自分が活動する経済コミュニティの中で、「この分野の弁護士ならコイツだ!」という絶対的地位を獲得する)、②自分の顔や名前をできる限り売っておいて「誰か弁護士を!」となったときに自分がファーストチョイスに来るようにしておく(事件を獲得できる確率を上げておく)、といったことくらいしか思いつきませんが、それらと並んで今後大事なことは、やはり消費者側(依頼者側)に、弁護士という職業や弁護士業務に関する正確な情報発信をしておくことではないかと思います。前回ブログから約1年が経ちますが、その思いは一層強くなっています。

【弁護士という職業・弁護士業務の特殊性】

上に書いたとおり、弁護士は「働いた時間に対して経済的対価を受け取る職業」です。

しかも、弁護士が取り扱う事件は、大枠としては「相続」だとか「債権回収」だとかに分類できるものの、基本的に1つ1つの事件が全く別物であり、弁護士の事件処理も基本的にフルオーダーメイドとならざるを得ません。そのため、事件処理を類型化・定型化して安価で大量処理する(バンバンさばいていく)等ということは基本的にできません。ほぼ全ての事件類型において、それをやったら十中八九、弁護過誤を犯すと思います。

したがって、一見単純だと思える事件であっても、弁護士は、最低限、①相談者からの事実関係の聞き取り、②聞き取った段階での大枠の事件処理の方針・方向性の調査及び絞り込み、③聞き取った事実関係を裏付ける証拠・資料の収集、④収集した証拠の内容確認、⑤証拠がどの程度の証明力を持つかの評価(特に、訴訟になった場合に立証できるかどうか)、⑥これらの作業を経ての最終的な事件処理の方針の決定、⑦相手方との交渉、訴訟準備等の実際の事件処理(当然1つ1つの事件で中身が異なります)、という作業をしなければなりません。

フルオーダーメイドであるがゆえに、本来ならば時間がかかりますし、時間がかかれば当然それ相応の費用を頂かなければなりません、本来ならば。

しかし、昨今の弁護士増員の影響で、弁護士業務の特殊性に対する理解が不十分なままに費用の低額化ばかりが進んでしまい(意識されてしまい)、消費者側も一定程度は費用が低額となることを、ある意味当然のことのように期待するようになってしまった印象があります。

そのような流れ・傾向は、結局は、「弁護士費用の単価を安くする」→「事務所経営を維持するためには多くの案件を受任せざるを得なくなる」→「事件1件あたりに割ける処理時間が減る」→「本来フルオーダーメイドにもかかわらず、回転数を上げるため、型にはめた事件処理・中途半端な事件処理をするようになる」という事態を招き、消費者側(依頼者側)にとっても供給者側(弁護士側)にとってもメリットのない、不幸な結論を導くだけではないかと危惧しています。

「オーダーメイドのスーツが既製品のスーツより高い」というごく当たり前のことが、弁護士業務においては消費者側に十分認識されていないのではないかと思いますし、そのような事態を招いた責任が誰にあるかといえば、それは間違いなく弁護士側にあるのだと思います。

大多数の一般人にとって、弁護士は「敷居が高く」「別の世界の人」であり、「知り合いや親戚にも1人もいない」でしょうから、消費者側に弁護士の実像を把握するよう求めるのは不可能でしょう。供給者である弁護士側において、「高いと思われる弁護士費用は実はそれほど高くないことが多いこと」、「その理由が原則フルオーダーメイドという弁護士業務の特殊性にあること」ということを、批判を恐れずに発信していかなければならないと思います。

そういった情報発信をして弁護士の実像・弁護士業務の特殊性を正確に理解して貰った上で、それでもなお消費者側(社会の側・世論の側)が、「そうであったとしても費用の低額化を指向してくれ!」と決断するのであれば、そのときは我々弁護士側が、費用体系であったり業務体系であったり事務所規模だったりを見直さなければならないと思います。しかし、現時点では、消費者側(社会の側・世論の側)が、その判断を適切に下せるだけの前提知識・前提理解をそもそも有していないように思えてなりません。

 

「社会正義の実現と基本的人権の擁護」という弁護士の不変の使命を十二分に果たせるようにするためにも、このような類の情報発信を増やしていく必要があると思います。

間違いなく、「言い訳だ」、「事業者としての努力が不足しているだけだ」という批判が出るでしょうが、そのような批判を契機として、弁護士の仕事の実態を知ってもらう機会もできるでしょうし、さらに進んで「こんな風に業務を効率化すればもっと低額化できるし問題解決できるだろう、フルオーダーメイドも達成できるだろう!」という建設的な意見も出てるくかもしれません。むしろそんな建設的な意見を拝聴したいくらいです。

本当に取り留めがない駄文でした(笑)。最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

小中時代を思い出す「村田進学塾」~いわきの弁護士新妻弘道のブログ~

2017年2月17日

いわき駅周辺に、「村田進学塾」という塾があります。

実はこの塾、私が小学生5、6年生くらいから中学卒業時まで通っていた塾になります。

当時は北白土の辺りにひっそり(失礼な表現ですいません)とあった塾で、勉強への意欲があまりなかった入塾当初の私は、塾長や塾長夫人にバシバシ鍛えられていました。夏の勉強合宿と,塾長夫人の口癖は今も記憶に焼き付いています。

おかげ様で,「解けない問題が解ける達成感」,「分からないことが分かる快感」を知ることができ,勉強が苦でなくなりました。特に数学が最も好きでかつ最も得意科目になったことは,現在の弁護士という仕事をする上で非常に助かっています。

法律は「文章で行う数学」みたいなもので,数学的な論理的思考ができる人にとっては実はあまり難しい学問ではありません。しかも,「文章で行う数学」と言っても,数学レベルで言ったらせいぜい二次方程式とか二次関数くらいのレベルです。

法的問題の解法やパターン,あるいは法律の建付けやパターンというのは実はごく少なくて(感覚的ですが,20~30くらいのパターンにどの論点や法律も当てはめられるようなイメージ),ただ,司法試験合格レベルに持っていく上で頭に植え付けるべき情報が非常に多い,という感じです。

なので,理系から文系に移ってきて比較的すんなり司法試験に合格する方は結構おります。お医者さんとか,工業系畑出身の人とかですね。数学的な論理的思考が反射のようにできる人で,記憶力も自信あり,という人たちですかね。

逆に文系の人が医者になるというケースはあまり聞かないので,やはり法的な思考は理系の人のほうが馴染みやすいのだと思います。

ごく個人的な偏見ですが,数学が得意になると,論理的思考ができるようになるし,雑多な情報の中から必要な情報を取捨選択してシンプルな思考でゴールに向かって一直線に解き進める力も養われるので,将来仕事をする上でとても役立つと思います。仕事の生産性や様々な行動の効率性も上がるんじゃないかと思いますので,子どもができましたら,とりあえず数学を好きになってもらうように仕向けようと思っています。

私の勉強の基礎を作ってくれた「村田進学塾」,小中学校時代の思い出が蘇る貴重な場所です。

なお,ステマみたいな投稿ですが,断じて違います(笑)

弁護士のミッション(使命)という道標~玉成会の司法試験合格者祝賀会にて考えさせられました~

2016年11月25日

 今回は珍しく取り留めのない話です。けっこう考えさせられることがありましたので、自分への戒めという意味も込めてダラダラと書き綴ります。

 少し前の話ですが、先週の金曜日(11月18日)に、大学時代に所属していた研究団体(中央大学玉成会)の新司法試験合格者祝賀会が東京で開かれましたので、私もOBとして参加してきました。

 玉成会というのは、中央大学に古くからある司法試験受験団体でして、私は大学2年生から入室して司法試験の受験指導等をしてもらいました。大学時代の辛く苦しい思い出の大半を提供してくれる、思い出深い団体です(笑)。全国津々浦々にOB・OGがおり、福島県弁護士会にも数名のOB・OGがいらっしゃいます。ちなみに、私が前に務めていた事務所の所長も玉成会出身です。

 私は下っ端も下っ端ですので、当日は端のほうにちょこんと座り、リクルートの意味も兼ねて合格者と軽く名刺交換でもしようかなと気楽に考えていたのですが、思いがけず、若手の先輩として合格者に対して祝辞・激励の挨拶を申し上げる機会をいただきました。

 突然のフリに動揺してしまい、大した挨拶もできなかったのですが、後輩達に伝えたいことを絞り出したところ、①弁護士としてのミッション(使命)を見つけることが大事であること、②一見すると弁護士が関与できそうにない案件も含めて、広い範囲の案件に門戸を広げておいてほしい、という2点が思い浮かんだので、それらを(だいぶたどたどしく)申し上げました。

 挨拶が終わった次の日くらいに、ふと「自分はなぜあんな話をしたのかな?」と考えてみたところ、多分こんな意識↓ があったのではないかと思います。

 インターネットを検索すればその手の記事が溢れていますが、現在の弁護士業界は、全体的には相当な苦境に立たされております。司法試験合格者を急増させたものの需要がそれに追いついておらず(というか人口減少社会なので国内紛争(内需)は全体として減少していく)、弁護士の経済状況は以前のイメージよりだいぶ低下しています。たまにニュースに流れる「後見人弁護士が管理している財産を横領した。」なんて事件は、その一端を示すものです。

 そのような苦境の中で、弁護士として、(ごく当然ですが)不正に手を染めず、プロフェッショナルとして気高く生きていくためには、自身の決断の拠り所にすることができる「ミッション(使命)」、あるいは臭い言葉ですが「美学」というものが必要になります。独立した弁護士はもちろんイソ弁(勤務弁護士)であっても、弁護士業務を遂行していく上で常に決断を求められます。自分で考え結論を出す際、迷いに迷ったときに決断の最後の拠り所にするのは、自分の経験上、弁護士としての「ミッション(使命)」だとか、「美学」だとか、「ポリシー」といった、自身の人生観や理想とする弁護士像に起因する視点になります。

 そういったものをぜひ早く見つけてほしいと無意識的に思い、①の話をしたのだと思います。この点は、自分自身が事務所を経営する弁護士になり、色々と悩ましい決断を1日に何回もしなければならなくなったからこそ、より強く意識するようになったのかもしれません。

 ②の点も、自分の経験から思うようになったことです。司法試験や司法修習で身に付けられるのは、法律実務家としての最低限の知識・論理的思考力・お作法に過ぎず、実際の社会では、大海原に生息する海洋生物のごとく、本当に多種多様な案件が存在します。一見すると弁護士がおよそ関与する余地がないような案件でも、よくよく考えてみると、「弁護士が入ったほうが円滑かつ健全に処理できる案件ではないか?まさにニッチな潜在的需要がある分野ではないか?」と思うような案件が実は少なからずあるのだなと感じることがあります。

 弁護士としてのキャリアを積んでしまえばしまうほど、どうしても、「過去に処理した案件の型にはまるかどうか」、「過去にやったことのある案件かどうか」といった制限を無意識的にかけてしまい、経験したことのない新種案件を嫌がったり避けたりする傾向が出てきてしまいます(弁護士7年目の私ですら、忙しくなってくるとその傾向が出てきてしまいます。)。

 そういった傾向は、実は、「職域がほぼ無制限といってよい弁護士業務の醍醐味」を半減させているのではないか、と最近強く思うようになってきました。

 弁護士として、それこそ、顧問先企業と海外企業との国際取引の処理や死刑求刑事件の刑事弁護といった超シビアな案件から、近所の知り合いのおじいちゃんおばあちゃんの近隣トラブルといった(下手すると牧歌的な)小規模案件まで広く関与しうるのに、活躍できる可能性のあるフィールドを自分の価値観で狭めてしまうのはもったいない、と思うようになってきました。そういった意識がどこかにあって、②の話をしたのだと思います。

 これから弁護士になる司法試験合格者は、ますます厳しくなる業界状況の中でキャリアをスタートさせることになりますが、ぜひ、以上の点を意識して、楽しく弁護士として活躍していってもらいたいですね。

 色々ネガティブなことも書きましたが、基本的に弁護士の仕事は、いつまで経っても退屈しない楽しい仕事ですので、自分も以上の点を忘れず、楽しく弁護士の仕事を続けていきたいと思います。

 だいぶ手を付けるのが遅いですが,現在は,中小企業の海外進出に関しての基本知識を勉強中です。「内需が頭打ちなら外需に頼る」というシンプルな発想ですが、これからは英語も少しはできないといけませんので、活躍できるフィールドを広げるため頑張っていきたいと思います。

中学生の体験学習の機会をいただきました~磐城総合法律事務所・いわきの弁護士新妻弘道~

2016年9月15日

いわき市内の中学校からご依頼を受け,先日,事務所に中学生を招いて体験学習をしてもらいました。

午前中3時間だけの短い体験学習でしたが,事務所内の見学のほか,裁判(刑事裁判)の傍聴もしてもらいました。

弁護士としての守秘義務がある関係上,具体的な事件処理を体験させるわけも行かず(中学生を法律相談や打合せに同席させるのはまずいですし),苦肉の策として,過去の事件記録にマスキングをして簡単に説明しました。

弁護士の使命(基本的人権の擁護と社会正義の実現)という大上段の話から始まり,弁護士(法律家全般)の思考過程なんかも説明し,弁護士が実際に仕事としてやっていることを分かりやすく説明した,,,つもりでいます,,,が,多分あまり伝わっていないと思います(苦笑)

中学生で弁護士の仕事のイメージをつかむというのも大変だと思いますので,実際にやっていることは,弁護士ドラマとは似ているようで全然違うということだけでも分かってもらえれば十分な成果だと思います(^-^;

なお,その子は,竹野内豊のドラマ「グッドパートナー」を見て弁護士に興味を持ったということですので,ぜひ司法試験をパスしてもらい,将来,バリバリの企業法務弁護士としていわき市に凱旋していただき,当事務所に就職してほしいですね(笑)